慶應義塾大学 EDGE 集中ワークショップのIoT分野技術サポーターレポート

2/27~3/2の4日間、慶應義塾大学 EDGE グローバルイノベーション人材育成連携プログラムの集中ワークショップのIoT分野の技術サポーターとしてお手伝いをしてまいりました。そのレポートを簡単にさせていただきます。

今回のEDGE 集中ワークショップではデザイン思考だけでなく、IoT 技術へのアプローチ、ビジネスコミュニケーション能力の3方向からチーム形式でプロジェクト開発体験する形式です。

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ワークショップの雰囲気

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当日は6つのチームが構成され、世界各地から遠隔参加された海外パートナーから、コンゴやシンガポールなど各地域における社会や環境の問題を共有していただき、イノベーションを起こすような発想、そして実際の制作物のプロトタイプを進めていました。

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初期の形状を検討する上ではこのような紙粘土やレゴをはじめ、デジタルハイク様がご提供したストローで簡単に形状が作れるStrawbeesも揃いました。

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さらにデザイン思考を発展させるパートでは3Dプリンタも完備され、実際の製品プロトタイプも準備万端。

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そして、IoT部分では、このように、

  • littleBits
  • CocoaBit
  • Wio Node
  • Groveデバイスの様々なセンシングやアクチュエータ
  • MESH
  • ESPr Developer
  • そしてノートPCにenebularとMilkcocoaの準備

と、様々なIoTアプローチができるよう機材を用意いたしました。事前に大学のスタッフの方々と念入りに会話して、調達リスト作成や資料作りなどもサポートしました。

今年もデジタルハイク様より広範囲にlittleBitsセットをご用意いただき、最近話題のBluetoothモジュールもご用意いただきました。

2日目・3日目 ウフル様サービス紹介、IoTの制作サポート

このグローバル集中ワークショップ、コミュニケーションは英語主体。やはり私から技術を伝え、チームの考え方をなるべく理解しようとするなら、なるべく英語で会話したほうが良いだろうと、エンジニア的技術用語を羅列する形ですが頑張ってみました。

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Photo by Munekawa Masami

もちろん、ホントにわからないときは翻訳していただけるシーンもありましたが、Yes・No・分からないがハッキリ言えれば、根気よく会話すれば結構伝えあえた感触はありました。

2日目・3日目 ウフル様サービス紹介、IoTの制作サポートを行いました。その中で、enebularとMilkcocoaについてウフル様サービス紹介をさせていただきました。

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Photo by Munekawa Masami

当然、この説明も英語での説明となりましたが、スライドをなるべく図表を大事に、センテンスは短めに事前に訳しておけば結構伝わりました。

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今回用意したIoTのツール群の図です。IoT機器の構想を1月くらいから練っていたのですが、

  • チームごとへのフロー展開がしやすい
  • 手軽にIoTにつなげられ、しかもナレッジが豊富
  • PCにインストールの必要がなく、すぐにツールを使うことができる

といったワークショップでの準備に大事な要素を考えたときにMilkcocoaとenebularが真っ先に思い浮かび、早めに軸に決めれて良かったです。

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事前に各チームに用意したenebularでの各IoT機器をONすればすぐ使えるフローが用意できました。当日のトラブルやフローの作り方の指導においても、柔軟に対応できたのは思わぬ収穫でした。

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またenebularのFlowで使われているNode-RED。英語の文献が豊富というのは素晴らしいことです。3日という短期間の中でも、素早く感覚をつかみ制作をしだす参加者が出てくるくらい親しみやすいツールと、改めて実感できました。

4日目:各チームの最終の成果物の講評

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各チームの最終の成果物は世界で活躍するイノベーションリーダーたちが講評する流れになります。

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講評の前に、今回ご協力いただいた企業の紹介パートがありました。永井様もご来場いただき会社説明から、enebularのINFOMOTIONを掛け合わせ、人口動態、水、食料、社会情勢等様々な世界中のオープンソースデータを一元的に可視化できるGlobal Sustainability Dashboardを中心にサービスを説明いただきました。

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各チームのIoTパートでは、無事にenebular・Milkcocoaが活かされました。例えば、このように、心拍数の計測をリアルタイムに計測するデモにおいて、enebularで作られたフローをMilkcocoa経由でグラフに流し込むWEBアプリ実装の例です。

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こちらはあるアクションに合わせて計測するMilkcocoaのグラフデモ。発表中、IoTデモでありがちな「ここぞと言うときに動かないトラブル」を乗り越えて、最後に一気に動作して歓声が上がるようなこともありました笑

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いろいろと用意したIoT機器もそれぞれのチームの用途に合わせて最終的には無事案内でき、このCocoaBitはlittleBits重さセンサーと連携して運搬の状況を計測するプロトタイプで活躍しました。

おわりに

ということで、enebular・Milkcocoaを導入し、さらにそれにつながるIoT機器を用意し、ワークショップでの発想を応援するという、かなりエキサイティングな体験となりましたが、IoT分野の技術サポーターとして無事役目を終えてまいりました。

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IoTという分野はとても広く多岐に及びますよね。

今回のワークショップ中も例外ではなく、チームからの出てきた発想は、センシングをどうする?からはじまり、データ分析やデータ蓄積、はたまたフィードバック。そしてそのプレゼンテーションの見せ方・落とし所まで、サポート側としては全方位で総合力を駆使して4日間サポートすることになりました。

最初は私も参加者もお互いに四苦八苦していましたが、参加者も制作が進むにつれ面白くなってきたようで「おお!このセンサーのセンシングでこういうことができるんですね!」「こうやってセンサーデータを駆使すれば、色々な問題も解決できそう!」「突き詰めると通信や電池の問題は大変そうだけど未来は感じる」といった会話も出てきて、IoTの持つ良いポテンシャルの片鱗は伝えられたでしょう!

そして、今回ワークショップでの動き方や準備の流れを知見として貯めることが出来ました。もちろん課題はありますが、それも改善していけたらと思います。