先日(2018/09/27)、enebularの勉強会、「enebular developer Meetup Vol.3」を開催しましたので、こちらの内容をレポートします。
こちらの勉強会は、enebularを使った事例のLT会となっています。この場合の “LT” とは、エキスパートの人たちのLong Talkと、最近enebularを使い始めた初心者の方々の気づきの発表も大歓迎なLightning Talkの両方です! 先日は、下記のトピックでみなさん登壇しました。
トピック一覧
【Long Talk】
- Oculus Go + enebular 仮想現実でもデータ連携!(1ft-seabass.jp さん)
- enebularとFirebaseとKNXを使って遠隔地から設備制御と見える可する方法(中畑隆拓さん)
- エッジデバイスのテストをenebularで自動化した話(ウフル めのたかや)
【Lightning Talk】
- enebularでおつまみIoTをパワーアップしてみた(まつした さん)
- enebular infoMotion で オムロン環境センサー (2JCIE-BL01) を可視化してみた (Kitazakiさん)
- enabularで研究室IoTを始める(takudooonさん)
Long Talk
ちょっと長めのセッションです。5,6分では語りきれない濃い内容です。
1. Oculus Go + enebular 仮想現実でもデータ連携!
(1ft-seabass.jp さん)
9/18のIoTLT Vol.43では「ClovaとHoloLensで修行システム」で登壇された 1ft-seabass田中さん。今度はOculus Goを使ってデモです。Unityでシューティング ゲームを作って、その得点データをリアルタイムでFirebaseに送り、enebularのInfomotionで可視化するというのが、このデモのメイン ポイント。
色々なデバイスでのIoTデモを「IoTデバイス連携演舞」として成功させてきた田中さんですが、前回のIoTLTでは会場のノイズのせいでLINE Clovaが残念ながら上手く動きませんでした。今回はOculusのデモ成功の後、名誉挽回でHoloLensによる「LINE Clova修行」に挑戦! 会場との相性も良いのか、今回は無事に修行成功し、会場からは拍手も。毎回田中さんの持ってくるモチーフには驚かせられるので、次回も楽しみです。ちなみに最近はNode-REDでドローンのTelloをコントロールしているらしいので、近いうちにenebularの世界にもドローンが登場することでしょう。
また、田中さんはご自身の登壇についてレポート記事も書いてくれました。
enebular Meetup vol.3 に登壇してきました。そのまとめです。 #enebular #HoloLens #OculusGo #Unity #Firebase https://t.co/0wdwlog8xT
— Tanaka Seigo (@1ft_seabass) October 2, 2018
2. enebularとFirebaseとKNXを使って遠隔地から設備制御と見える可する方法
(中畑隆拓さん)
前回のenebular x LINE ClovaハンズオンではブログとYoutubeにレポートをアップしてくれた中畑さん。今回は前回の宣言通り登壇です。IoTに興味のあるエンジニアが、IoTを仕事で思いっきりできるようになる方法を伝授。詳しくはスライドをご覧いただきたいのですが、中畑さんによると「設備制御がお金になる」ので、これをIoTで制御するとビジネスになるとのこと。設備制御がIoTと絡んでお金になる3つの理由は、
- すでに設備はお金がかけられている
- 実体があるから他の人にわかりやすい
- 省エネ、最適化、超少子高齢化
設備がもっと複雑な制御を必要とする時代の流れ
だそうです。たしかに、工場やショッピングプラザなどのビルが大きく広くなるほど、設備機器のステータスを確認するのに手間がかかります(=人件費がかかる)。人件費をかければ済むのであればまだマシで、確認・対応する人手が圧倒的に不足しているということも聞きます。IoTのセンシングを利用した設備制御は、各地にある設備に人員を配置する必要性を削減します。遠隔地にある設備のステータスを確認し、必要に応じて操作できるからです。
中畑さんは今回、KNXというオープンなプロトコルで遠隔地からの設備制御システムがenebularで構築できることを説明してくれました。今後の具体的な事例に期待です。
ちなみに、「KNX」は、設備制御のためのオープンな通信規格です。
「LINEBOOTAWARDS-Clova×enebularハンズオンで感じたenebularの強い実用性」(中畑隆拓さん)
3. エッジデバイスのテストをenebularで自動化した話
(ウフル めのたかや)
“Long” Talkのラストは、ウフルの開発チームから<めのたかや>がお話しいたしました。めのは、大学時代は農学部で薬草の研究をしていて、ウフルではデバイス関連の開発をするという異色の経歴の持ち主です。学生時代の知見を活かし、『ラズパイマガジン』に寄稿するためオフィスで「IoTキュウリ」を栽培。水分センサーが土壌の乾きを検知するとSlackの「きゅうりちゃん」アカウントから「おみずください」という切実なメッセージが来るという仕組みを作りました。週末には、「暴徒と化した」(めのの表現)きゅうりちゃんからおみずくださいメッセージが大量に来るということも!
さて、今回のネタは、デバイスで動作する「enebular edge agent」の開発を担当している目野(すみません、平仮名だと区別しにくいので、ここからは漢字で書きます)が、そのテストを自動化するのにenebularを利用したお話しです。
「フローをデプロイするフロー!」を開発したのです。
これで、
- テストケースが簡単に増やせる!
- テストシナリオが変わっても楽!
- 通知とかはenebularの得意分野!
- テストがちょぴっと楽しくなる・・・!?
というメリットがあるそうです。みなさんもいかがですか?
Lightning Talk
通常の、ちょっと短めのセッションです。5,6分でインパクト強く語っていただいた内容です。
4. enebularでおつまみIoTをパワーアップしてみた
(まつした さん)
ここからは、LightningなLT。まずは「野良ハックチーム」の「まつした」さん。「野良ハックチーム」とは、汐留の某通信会社内の有志のみなさんがIoTLTなどで活動するチームです。
今回のネタは、IoTLTで5月にデビューした「おつまみIoT」(おつまみディスペンサーをスマートスピーカー等でIoT化したもの)を統計情報を可視化するためにパワーアップしたというものです(構成図をご覧ください)。
やってみた感想としては、
- フローで簡単に機能が追加できる
- 可視化が簡単にできる
とのことでした。アイディアが簡単に実現できるのがいいですね。
5. enebular infoMotion で オムロン環境センサー (2JCIE-BL01) を可視化してみた
( Kitazakiさん)
続いても「野良ハックチーム」です! 今度は「Kitazaki」さん。Kitazakiさんは、登壇前に資料だけでなく、Qiita記事も書いているという仕事の速さ! なので、詳しくは私のレポートよりもそちらをご覧ください!
Qiita記事「enebular InfoMotion でオムロン環境センサー (2JCIE-BL01) を可視化してみた。」
環境センサーからBluetoothでラズパイにデータを送り、ラズパイからFirebaseにデータを送り、enebularのInfoMotionで可視化しています。結果、このようなグラフになります。
今回は「enebularの “よさみ” を半分だけカジってみました」とのこと。次回ミートアップも登壇が決まっているので楽しみです。また、最後の「良き enebular ライフを!」というは、勝手ながら今後使わせてもらうことにしました! ありがとうございます!
6. enabularで研究室IoTを始める
(takudooonさん)
最後は、dotstudioの「宇宙エンジニア」の「たくろーどん」さんです。普段は大学生で航空宇宙工学を専攻する宇宙系でもあるし、実験室での機器を扱う「設備系」エンジニアでもあるとのこと。
実験に必要な機器は工学部では「自分で作るのが当たり前」であり、過去の先輩方が作った機器での不便な点を解消するために新たに作ろうと思い立ったのが、こちら↓です。
真空チャンバー内の実験機器をxy軸ステージでリモートから制御できるようにすれば、自分だけで無くほかの人も便利に使えるようになる。チャンバー内を真空にするのに3、4時間かかるので失敗すると一日無駄になるので外から操作できるのは重要とのことです。
enebularを使って良かったのは、今回作ったようなものをクラウドで共有できることであり、実験結果が良かったら、卒論にenebularについて書いてくれると言ってくれました! また、たくろーどんさんのツイートでは、
工学部の学生は黙って登録、研究に使おう😇 https://t.co/hB26SmSEBR
— たくろーどん (@takudooon) September 27, 2018
と後輩の学生にも推薦! ぜひ学生へのエバンジェリストになっていただきたいですね。
【追記】
たくろーどんさんが、(お願いしたら)LT内容をQiita記事にしてくれました! 「お願いしたら」なので、「健全な」ステマ記事です(笑)・・・。
「【enebularは神ですか?】enebular×Node-REDで研究室IoTに挑戦!」
ツイートまとめ
Oculus Goから設備制御、IoTキュウリからテスト自動化、IoTおつまみ、環境センサー、そして宇宙。さまざまなトピックが飛び交った今回のミートアップのツイートをまとめました!
「enebular developer Meetup Vol.3 ツイートとまとめ」
次回のミートアップ
このレポートを読んで「あ、面白そう」と思った方は、ぜひ生でミートアップを体験ください。enebularで何が出来るかが垣間見えて、みなさんの想像力が刺激されると思います!
日時:2018/10/25(木)19:30〜22:00
場所:株式会社ウフル(東京 神谷町)
登録:こちらのページから
今回は以上です。次回もまたレポートします。ありがとうございました!