Slackが社員のホンネを引き出すツールに?enebularで実現する「パルスサーベイ」

今回は、「パルスサーベイ(簡易アンケート)」をSlackを使って実現した方法をご紹介します。

背景

企業の成長を支えるのは、間違いなく「人」です。しかし、日々の業務に追われる中で、社員一人ひとりのコンディションを正確に把握するのは、簡単なことではありません。年に1回ほど行われる大規模な従業員満足度調査では、リアルタイムの変化を捉えるのは困難です。

「最近、チームの雰囲気が少し重い気がする…」 「リモートワークで、メンバーがどんな気持ちで働いているのか見えにくい…」

そんな悩みを抱える人事担当者や管理職は多いのではないでしょうか。

パルスサーベイとは

もし、普段使っているSlackで、社員の「今の気持ち」を気軽に、そして継続的に把握できる仕組みがあったらどうでしょうか?

パルスサーベイとは、数問の簡単なアンケートを短期間に繰り返し実施することで、組織や従業員のコンディションをリアルタイムで測定する手法です。

このパルスサーベイの手法をシステムで提供するサービスは様々あり、人事システムにビルトインされていたり、クラウドサービスとして提供されていたりします。

今回つくったもの

パルスサーベイをSlackアプリとして実装できれば、様々なメリットがあります。

  1. 高い回答率: 普段から使い慣れたSlackに通知が来るため、メールや別のツールで依頼するよりも、社員が気軽に回答してくれます。
  2. リアルタイムなフィードバック: 回答結果は即座に集計され、組織の「今」の状態をすぐに把握できます。問題の兆候を早期に発見し、迅速な対策を講じることが可能です。
  3. 継続的な組織改善へ: 定期的に実施することで、施策の効果測定や、組織全体のエンゲージメントの変化を時系列で追うことができます。

特に、リモートワークが中心の企業や、従業員のエンゲージメントを重視する企業にとって、これは非常に強力なツールとなると思います。

必要なもの

この仕組みを実現するために、今回は3つのクラウドサービスを組み合わせました。

  • Slack
  • Google
  • enebular

これだけです。すでにSlackやGoogleを導入している企業であれば、驚くほど簡単に導入できます。

パルスサーベイの仕組み

「でも、Slackと連携するなんて、専門知識が必要なんじゃないの?」

ご安心ください。この仕組みは、enebularというプラットフォームの「簡易アンケートパッケージ」を利用すればすぐに構築できます。

全体の流れは非常にシンプルです。

  1. enebularの簡易アンケートパッケージを導入: クラウド実行環境にデプロイします。
  2. Googleスプレッドシートでアンケート作成: 「睡眠の状態は?」「仕事で笑顔になる頻度は?」といった聞きたい質問と選択肢を、使い慣れたスプレッドシートに入力するだけです。
  3. enebularが自動で投稿: 設定したスケジュール(例:毎週月曜日の朝10時)になると、enebularがスプレッドシートの内容を読み込み、自動でSlackの指定チャンネルにアンケートを投稿します。
  4. Slackでポチっと回答: 社員はSlack上で選択肢をクリックするだけで回答が完了します。
  5. 結果はスプレッドシートに自動集計: 回答結果は、リアルタイムでGoogleスプレッドシートに集約されていきます。

もっと便利に使うには?

この仕組みは、ただアンケートを取るだけではありません。

  • 結果の見える化: スプレッドシートに集まったデータを使えば、スプレッドシートやLooker Studioなどで簡単にグラフ化できます。チームのコンディションの変化が一目でわかるようになります。
  • 質問の変更: 「うちの会社独自の質問を追加したい」という場合も、スプレッドシートを編集するだけでOK。自社の状況に合わせた柔軟な運用がノーコード(プログラミング不要)で可能です。
  • 柔軟なカスタマイズ: もっと自社のニーズに合わせたい、パルスサーベイ以外のアンケートに変更していきたい場合は、簡易アンケートパッケージのソースコードをもとにプログラミングで改修します。最近の流れとして生成AIに手伝ってもらうとコーディングのハードルが下がるかもしれません。

まとめ:小さな一歩が、組織を大きく変える

今回は、Slackとenebularを使って「パルスサーベイ」を導入する方法をご紹介しました。

従業員のコンディションという、これまで見えにくかったものを可視化する。その小さな一歩が、風通しの良い組織文化を育み、生産性の向上や離職率の低下へと繋がっていきます。

この「簡易アンケートパッケージ」は、組織のDX(デジタルトランスフォーメーション)を力強く推進するきっかけとなるはずです。

まずは、あなたのチームから試してみませんか?