enebularの新リリースにおけるNode-RED 1.0対応について

2020/07/01追記

Node-RED 1.1がリリースされたため最新ではなくなってしまいましたが、enebularの新しいリリースは予定通りNode-RED 1.0ベースとなります。

新しいenebularがリリースされます

みなさまにより良い環境でお使いいただけるように、enebularは定期的にアップデートしています。公式ドキュメントの「Release Notes」をご覧になると分かりますが、通常ですと2週間の間隔で新しいenebularをリリースしています。新リリース自体は珍しいことではありませんが、今回は特別にお知らせしたいことがありブログにてご紹介します。

この投稿では下記についてご説明します。

 

enebular新リリース概要

今回のリリースで特筆すべきところは、enebularの開発環境のベース部分となる「Node-RED」を最新の新しい「1.0」としたことです(2020/07/01追記:Node-RED 1.1がリリースされたため、最新ではなくなってしまいました)。enebularを使った開発のメインとなる「フローエディタ」はNode-REDを元に開発していますが、こちらでNode-REDの最新機能を利用できることでより開発効率が向上することが見込めます。

enebularはみなさんがよく使うWEBベースのフローエディタ部分だけでなく、デスクトップ版の「enebular editor」、Raspberry Pi等で稼働する「enebular Agent」、ウフルの開発ボード「Raven」のように より小さなフットプリントのデバイスで稼働する「enebular Edge Agent」もあり、それぞれのNode-RED部分をアップデートし動作検証していましたが、このたびこれが完了して、新リリースでのNode-RED 1.0対応となりました。

enebular editor 1.0

今までベータ扱いのバージョン0.15.0ですが、今回のNode-RED 1.0対応に合わせ、バージョン1.0となります。

新リリースに先だって

すでに単独のNode-RED 1.0をお使いの方はご存知かと思いますが、Node-RED 1.0ではそれまでenebularが利用してきたNode-REDのバージョンと若干異なります。Node-RED 1.0の新機能や変更点をご確認の上、ご自身の開発アセットなどで問題なく動作するかどうかのご確認をおすすめします。新機能や確認のポイントなどはこの後ご説明します。

 

Node-RED 1.0の新機能

新機能や変更点はオフィシャルにはNode-REDの開発者、Nick O’Leary がnodered.orgのブログにて解説しています。また、このブログ記事には下記のビデオもあります。

ご覧のとおりこれらは英語での説明ですので、要約を簡単にリストします。

  • 非同期メッセージ パッシング
  • Node Send API
  • クローニング メッセージ
  • パレットの再編成
  • 削除されたノード
  • サブフロー インスタンス プロパティUI
  • アクションリスト
  • Visual JSONエディター
  • 新しい配線のトリック
  • その他の検索結果
  • 新しいインポート/エクスポート ダイアログ
  • コンテキスト サイドバーの自動更新
  • 言語を選ぶ
  • エディターCSSの再構築
  • エディターの依存関係
  • ノードの更新
  • 新しいDockerイメージ
  • フロー ライブラリの更新

 

分かりやすい点としては、たとえばパレットの再編成は、左のパレットにあるノードの順番が「入力」「出力」「機能」・・・・・・のように並んでいたのが、「共通」「機能」「ネットワーク」・・・・・・のように並び替えて編成し直され、injectノードとdebugノードを取りあえず並べる、mqtt inノードとmqtt outノードを取りあえず並べるなどといったときも隣り合わせになっているので便利になりました。

また、いくつかのノードが最初からデフォルトで入っていません(例:Twitterノード)ので、あとから自分で追加インストールする必要があります。

より詳しく知りたい場合は

この投稿で説明すると長くなり過ぎますし、すでに解説している記事もありますので、より詳しく知りたい方のためにこれらをご紹介します。

Node-RED開発者によるブログ

Version 1.0 released」(Node-RED Org)
先ほどご紹介した、Nick O’Learyによる解説を再掲します。

日本語の投稿

Node-RED v1.0で追加された機能のまとめ
Qiitaにも上記のブログを和訳/意訳した記事がアップされていました。

書籍

2020/06/25に新刊『実践Node-RED活用マニュアル』が発売されました。こちらの第2章に「Node-RED 1.0の新機能の紹介」がありますので、そちらをご覧いただくのもいいでしょう。

 

enebularの新リリースの時期

リリース時期は、現在のところ来月7月中を予定しています。

 

新リリース前の確認事項

Node-RED 1.0での変更点をご覧の上、ご自身で作成したフローに変更が影響があるかどうかご確認ください。たとえば、Twitterノードはデフォルトではパレットに並んでいませんので、後から追加でインストールが必要です。その際にはNode-RED Org.のNode-RED LibraryにあるノードのReadmeなどのドキュメントを併せて確認し、Node-RED 1.0での問題点がないかどうかもご覧いただくことをお勧めします。もう一度Twitterノードを例に使うと、readmeのページはこちらです(開発者はNode-REDの開発者と同じNick O’LearyとDave Conway-Jonesです)。

 

新リリースを利用するには

web版のenebularをお使いの場合、SaaSですので新リリース後にサインインすれば新リリースがそのままご利用いただけます。デスクトップ版の場合、新リリース後に起動するとアップデートを促すダイアログが出てきますので、それに従ってください。enebular Agentについてはドキュメントの「アップデート手順」を参照してください。

 

補足

Node-RED 1.0についての説明をご覧になって、もっとNode-REDについて知りたくなった方もいると思います。Node-REDについて詳しくなれば、アイデアを形にするまでの手間や時間が削減できます。ご参考までに以下の2つをご紹介します。

Node-REDについて動画で学ぶには

enebularのベースとなる、Node-REDについて、概要から始まり、各ノードの説明、簡単なフローの開発方法、その他の情報について10本の動画にてご説明します。

最新の情報やユースケースを知るには

Node-RED User Groupによるオンライン カンファレンスが開催されます。ウフルも協力企業として enebular にて参加予定です。こちらにはさまざま企業や個人の開発者の方々も参加発表します。

Node-RED Con Tokyo 2020

Top page of Node-RED Con Tokyo web site

2020/10/10(土) 13:00〜18:15 オンライン開催
詳細・お申込みは【こちら】から

土曜日でオンライン開催ですので、平日で東京でというよりも参加のハードルが下がっていると思います。ご都合がよろしければご参加になると最新の情報やユースケースを知ることができます。

 

まとめ

ご存知のとおり、Node-REDを使いたい場合、まずはWEBブラウザーだけから始められるというハードルの低さ、そして、デスクトップ版、enebular Agent/Edge Agentなど拡張性も併せ持つのは、Node-RED開発環境の中でもたぐいまれな存在だと自負しています。今回、Node-RED 1.0に対応することでNode-REDの最新機能も加わり、enebularの開発生産性もより高まることでしょう。

7月のリリースまでもう少しだけお待ちください。