enebularでSalesforce連携!会社情報を自動更新

先日、社内でenebularを活用したSalesforce連携ハンズオンが開催されました。本ハンズオンは、参加者が実際にenebularに触れ、その機能を体験することを目的とした知識共有(ナレッジシェア)の一環として行われました。今回は、このハンズオンでどのようなアプリケーションを構築し、enebularを使った開発のどのような点が体験できたのか、そして今後の可能性についてレポートします。

ハンズオンで実現したこと

今回のハンズオンでは、簡単なenebularのフロー作成の第一歩として、SalesforceのChatterへの投稿を体験しました。

次に、取引先に登録された会社名を元にして、会社の住所や従業員数、WebサイトURL等を自動入力するツールを作りました。

Googleで企業名で検索して、サイトから情報を探して、手で入力するケースも多いと思いますが、これを自動化しました。普段は毎回検索してコピペする地味に面倒な作業です。

こんなフローです

作ったフローは、以下のようなものです。

Salesforceの取引先レコードに登録された会社名(取引先名)をトリガーとして、経済産業省が提供するgBizINFO(ジービズインフォ)という外部サービスからその会社の情報を取得します。取得した情報(住所、従業員数、ウェブサイトなど)は、自動的にSalesforceの取引先レコードに反映・更新される仕組みです。今回は、ウフルで作成したSalesforceとの連携に使用するテンプレート(パッケージと呼ぶ)を使っています。

構築のポイント

テンプレート方式でビジネスロジックに集中できた

このテンプレートは、Salesforceとの連携に関する基本的な処理(灰色部分)は既に用意されており、外部サービス連携など、ユースケースに合わせてカスタマイズする部分(黄色部分)を編集する構造になっています。

セキュアな認証方式を採用した

Salesforceとの接続には、JWTベアラーフローという認証方式を採用しました。これには秘密鍵と証明書が必要となります。これにより、セキュアな認証が実現されます。

クラウド実行環境で定期実行させた

構築したアプリケーションを継続的に運用するには、enebularのクラウド実行環境へのデプロイが必要です。ハンズオン中に利用したエディター環境は一時的なものですが、クラウド実行環境にデプロイすることで、アプリケーションを永続的に動作させることができます。

今回のアプリケーションは定期実行(例えば10分間隔など)を想定した設計となっており、設定した間隔でSalesforceの新規または更新された取引先情報をチェックし、自動更新処理を実行します。ただし、フリープランには実行時間の上限が24時間に制限がある点に注意が必要です。

enebularによる開発のメリットと考慮事項

enebularは、サービス開発、運用、保守において、パッケージ活用による短期間・高品質の開発を実現するサービスです。ローコード開発基盤として、ある程度の自由度を持って様々なものを作成できますが、一度必要な機能(ノードやパッケージ)を開発してしまえば、その再利用性や再現性が高いという特長があります。

今回のハンズオンで使用したSalesforceサービス連携パッケージも、過去の案件で開発されたものを流用しており、このように案件で培った成果を社内で共有・活用することで、開発効率を高めることが期待できます。今後も、社内での利用率が高いサービスを中心にパッケージやノードを拡充していく方針です。

連携先の外部サービスgBizINFOに関しては、サービス終了予定(来年度バージョンアップ)という情報があります。外部サービス連携において、APIの仕様変更やサービス終了に伴うメンテナンスやバージョンアップは避けられないため、運用にあたっては考慮しておく必要があります。

また、ハンズオンのフローでは、取引先名はユニークではないため、同じ会社名が複数存在する場合は最初の検索結果が使用されるという仕様にしています。本番運用では、そもそもこの仕様でよいのか、こうしたケースの場合の対処方法や運用ルールを決める必要があります。エラー発生時のログ通知やリトライ処理なども重要になるでしょう。

広がる可能性

今回のSalesforce連携は、enebularで実現できることの一例に過ぎません。enebularは様々なサービスと連携可能であり、社内で利用されているBacklogやSlack、スプレッドシートなど、他の業務効率化にも応用できます。例えば、採用管理システムとSalesforceを連携させ、手動での情報入力を自動化するといったユースケースも考えられます。

また、ハンズオンの最後には生成AI(Gemini)との連携のデモもありました。会社の情報や概要を生成AIに問い合わせ、SalesforceのChatterに投稿するといったプロトタイプも短時間で作成できました。このように、enebularを使えば、様々なアイデアを形にするプロトタイプ開発を迅速に行えるという利点があります。

まとめ

今回のハンズオンを通して、参加者はenebularのローコード開発基盤としての特長や、パッケージを活用した効率的な開発手法を体験できました。特にエンジニアではない業務部門の方達は、Salesforceと外部サービスを連携させ、業務の自動化を実現する具体的なアプリケーション構築を通じて、enebularの可能性を感じていたようです。

今後も積極的にパッケージやノードの拡充を進め、社内外でのenebular利用を促進していきたいと考えています。もし「こんなことenebularでできないか?」といったアイデアや相談があれば、ぜひお気軽にご連絡ください。