外部ライター ワンフットシーバス 田中正吾です。今回は、ウフル社内で行われたハッカソンで最優秀賞を獲得したガチャガチャマシンのIoT化についてお伝えします。
私も後日お話を伺っていて、とても魅力的な仕組みだったので以下にまとめてまいります!
よくみかけるガチャガチャマシン
このように、よくみかけるガチャガチャマシン。最近は、外国通貨両替の小銭の有効利用で空港にも置かれていたりと、活用範囲は広がっております。
ただ、このガチャガチャマシン。
カプセルの在庫把握や補充が設置側に任せっきりになっていることで、運営者の設置ハードルが高くなっていたり、売り切れによる機会損失が起きたりしているそうです。
そして、遊ぶユーザーにしてもガチャガチャマシンを回したいのに、小銭がないので回せないといった、もうちょっと良いなったらいいなというところも見えてきます。
どんなアプローチで解決を目指したのか
今回の発表では、ガチャガチャマシンにIoT化を施すことで、その解決を目指しました。
具体的には、カプセル排出のログとタイムスタンプをクラウドで捕捉しているとのこと。
在庫数のリアルタイム把握を軸に、NFCによるICカードリーダーを連動することで、支払い面での電子決済のしやすさ、キャンペーンなどで金額変更できる仕組みについても作っています。
私がここですごいなと思ったのは、排出検知の部分。
赤外線の反射の判定を行っていて通常は反射せず、通過時だけ反射する実装をすることで排出を検出しているそうです。わたしも同様のセンサーを持っていますが、このように使えることを知らなかったのでとても勉強になります。
また、赤外線の反射をより正確にわかるように、赤外線の吸収しやすい黒い筒を通すことで精度を高める工夫しているとのこと!
プログラムの仕組み
つづいて、ガチャガチャマシンからデータを受け取って、enebularや他のシステムとの連携についてです。
使用するクラウド・サービス/アプリケーション/ハードウェアは以下となります。
- クラウド
- Firebase
- AWS(LAMBDA、RDS)
- アプリケーション
- enebular
- Infomotion
- ハードウェア
- grove赤外線センサー、groveサーボモーター、NFCリーダー
- ガチャマシン、ラズパイ、groveパイ、モニター
受け取ったデータをenebularのFlowでいろいろとハンドリングしてます。
サーボ動作やNFCの部分が独自実装のノード
今回IoTをよりしっかり対応するために、ガチャのサーボ動作やNFCの部分が独自実装のノードされたとのこと。
node-red-contrib-nfcpy-id – Node-REDノードでNFCのデータ読み取りを動作させています。
node-red-contrib-emax-servo – Node-REDのノードではサーボを駆使しガチャガチャを自動で動かしています。
NFCが読み込まれたのちにロック解除を行う部分や、実際に赤外線センサーの反応でロックがかかる部分のサーボの動きを実現しています。
Infomotionで在庫確認の可視化
さらにデータを集めてInfomotionでは在庫確認を行っています。円グラフでわかりやすいですね!
実際に動く動画
さて、それでは、実際に動く動画を見てみましょう。
このような動作をしていて、実際に在庫が減って管理できるさまは、仕組みとして面白く夢を感じさせますね。
解決できること
今回の発表後、本来は煩雑になりがちなガチャガチャマシンの設置者へ管理コストが大きく減らせそうという意見が多くでたそうです。そうすることで、設置のしやすさが向上し、ガチャガチャマシンの中身であるベンダーの方にも、小銭がいらなくなるというエンドユーザーの購買ハードル低下で、購入数の向上が見込めます。
IoT化によって設置者&ベンダーには売上アップ嬉しく、しかも、エンドユーザーは楽に買えて嬉しいという良い効果が望めそうです。
さて、後半では、チームを代表して原田さんにインタビューさせていただき、より深く実装をお伺いいたします。