enebularを使って3密状態を可視化してみよう

はじめに

新型コロナウィルス感染症の拡大を防ぐために、厚生労働省から「3つの密を避けましょう」(2020年3月28日)というアナウンスがありました。

「3つの密」とは、
1. 換気の悪い《密閉》空間
2. 多数が集まる《密集》場所
3. 間近で会話や発声をする《密接》場面
の3要素とのことで、3密や三密と呼ばれることも多いようです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#kokumin

しかし、その空間が「3密」かどうかを、室外から判断するのはなかなか難しいと思います。
そこで、ウフルではIoTを活用して「3密」状況の可視化にチャレンジしてみました。
また、それらを簡単に構築するための手順をチュートリアルとして公開することにしました。

enebularの機能「InfoMotion」を用いた可視化のサンプル本シリーズでは3回にわたり、「センサーデータの取得方法」、「センサーデータのデータべースへの保存方法」、「保存したデータの可視化方法」を紹介しますので、どなたでもステップバイステップで簡単に行うことができます。

なお、本システムでは、3密のうち「密閉度」と「密接度」の可視化を行います。まず、「密閉度」はCO2濃度を計測(注)することで指標とします。気象庁によりますと大気中のCO2濃度は400ppm程度です。よく換気された室内のCO2濃度は、外気のCO2濃度に近くなると考えられます。密閉された部屋では人間の呼気によりCO2濃度がこれよりも上昇します。したがって、このチュートリアルでは、CO2濃度の変化を見ることで室内の「密閉度」の指標とすることにしました。次に、「密接度」は音の強さを計測し指標とします。人が集まり会話を行っている状況では音が発生します。大きな声で会話をしていると、飛沫も遠くまで飛んでいく心配があります。したがって、このチュートリアルでは、音の強さの変化を見ることで室内の「密接度」の指標とすることにしました。

目次

備考

センサーや機材などは別途お買い求めください。本チュートリアルで最低限必要な機材は下記のとおりです。

・Raspberry Pi 4 Model B
・Raspberry Pi本体を起動するために必要な部品(microSDカードやACアダプタなど)
・作業用PC
・オムロン 環境センサー 2JCIE-BU01
(注) 今回使用する環境センサーで取得できるCO2濃度は総揮発性有機化合物濃度から間接的に計算されるものです。詳しくはセンサーの仕様をご確認ください。
https://www.fa.omron.co.jp/products/family/3724/specification.html